
逆説の日本史4 中世鳴動編/ケガレ思想と差別の謎 (小学館文庫)
井沢元彦
小学館 / 1998-12-01
この本について
日常の中で「なんで自分たちはこんな判断をしてしまうんだろう」とか、「議論すれば分かり合えるはず…のはずが全然そうでもないな」と感じること、けっこうありませんか。自分も仕事で意思決定に関わるたび、理屈だけじゃ割り切れない“日本特有の空気”みたいなものにぶつかることがあります。 『逆説の日本史4』を読んで刺さったのは、その“空気”の正体に歴史的な根っこがある、と静かに示してくれるところでした。たとえば、軍事や警察と「掃除」が同じ“キヨメ”の仕事として扱われてきた背景を知ると、現代の組織が「汚れ役」を極端に避ける理由が急に腑に落ちます。また、平和が「きれいなもの」ではなく、裏で人の脂のような手練手管を必要としてきた、という司馬遼太郎の引用も、私たちが理想だけでは仕事も社会も回らないことを受け入れる助けになります。さらに、「失敗を想定すると悪人になる」というコトダマ的発想が計画の弱さにつながる、という指摘は、会議で妙に“前向きだけ”求められる光景とつながってしまいました。 歴史の知識を増やすためというより、自分の思考の癖や社会の不思議な慣習の理由を掘り下げたい人に向いている一冊だと思います。自分と同じように「なんでこうなるんだろう」を放置できない人には、じわっと効きます。
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