
結婚と家族のこれから~共働き社会の限界~ (光文社新書)
筒井 淳也
光文社 / 2016-06
この本について
結婚や家事分担の話になると、「なんでこうなるんだろう…」という説明しづらい違和感が積み重なりますよね。私も、同じようにモヤモヤを抱えたまま日々を回しつつ、この本を読んで初めて腑に落ちた部分がありました。夫婦間の問題だと思っていたことが、実はもっと長い歴史や社会の構造に根っこを持っている、という視点です。 たとえば、日本の男性が結婚すると家事をほとんどしなくなる理由を、性格ではなく「母親と同居していた頃と同じ構造が続くから」と説明されると、個人の努力論では片づけられない重さが見えてきます。また、女性が働いて収入が増えても家事負担が変わりにくい背景には、周囲の女性が担ってきた歴史的な「当たり前」を無意識に引き継いでしまう現象がある。こういう部分は、読みながら何度も手が止まりました。さらに、家事分担を「分け方」ではなく「労働」としてとらえ直す視点は、日常のイライラの奥行きを少し変えてくれます。 夫婦関係に限らず、「自分の努力不足では説明がつかない何か」を感じてきた人にとって、この本は静かに効いてきます。誰かを責めるためではなく、いま自分が立っている場所を少し俯瞰したいときにちょうどいい一冊だと思います。
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