
改訂新版 共同幻想論 (角川ソフィア文庫)
吉本 隆明
KADOKAWA / 2020-06-12
この本について
社会とか国家とか、大きな枠組みの話になると、自分の考えがどこから来ているのか急にわからなくなる瞬間ってありませんか。政治のニュースを見ていても、「これで本当に自由になっていると言えるのか?」みたいな、言語化しにくい引っかかりが残る。そういうモヤモヤは、誰かに相談してもスッキリしないまま積もっていきます。 『共同幻想論』を読むと、その引っかかりの「位置」が少し見えるようになります。たとえば、政治的な解放って実はごく部分的なもので、人間の根っこにある“個人としての感覚”までは動かせない、という視点。文学がやたら自由でわがままに見えるのも、政治では辿り着けない層を扱っているからだ、という説明は、日常の違和感とつながりやすいところです。また、「国家は幻想の共同体だ」という前提から、私たちが無意識に受け取っている“国家像”がどれだけ歴史や地理の条件でつくられてきたかをたどる部分も、今の自分の思考の癖を見つめ直すきっかけになります。海辺の民や農耕民、狩猟民が入り混じっていたという話も、国家を単純な物語として見ないための良い足場になります。 自分の考えが「自分だけのものじゃない気がする」と感じている人に刺さる一冊です。私自身、読みながら何度も足元を掘り返される感覚がありましたが、そのぶん、社会や自分を見る焦点が少し変わりました。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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