
ステップ (中公文庫)
重松清
IBCパブリッシング / 2021-09-01
この本について
家族のことって、何歳になっても「これでいいのかな」と迷いがちですよね。親としての距離の取り方も、子どもの小さな変化への向き合い方も、正解が見えないまま手探りで進む感じが続きます。自分の不器用さがそのまま子どもに映ってしまう気がして、余計に焦ったりもします。 『ステップ』を読んでいて強く思ったのは、「まんまるな家族じゃなくても、生きていけるし、ちゃんと関係は育つ」という当たり前のことでした。抜粋にもあるように、子どもが抱える“寂しさ”をどうにもしてあげられない時間があります。でも、この物語はその寂しさを悪者にしません。なくすんじゃなくて、付き合い方が少しずつわかっていく。親側も同じで、完璧を目指すより、距離感を確かめながら歩く姿が丁寧に描かれています。 とくに、リレーのバトン練習のシーンは、自分の子ども時代や、親としての不安が一気に重なるようでした。うまく受け渡せないもどかしさや、失敗が怖くて動きがぎこちなくなる感じ。それでも横で見守る大人は、「なんとかなるよ」と言いながら、自分の迷いも抱えている。そんなリアルさに救われます。 自分のペースで家族を続けていきたい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの89%が集中しています。
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