
ファスト&スロー (下)
ダニエル カーネマン and 村井 章子
早川書房 / 2013-05-24
この本について
仕事でも生活でも、判断するときに「なんでこんなに迷うんだろう」「あとから後悔するのが怖い」と感じることが多いです。頭では冷静に選びたいのに、感情や思い込みに引っ張られるあの感じ、けっこうしつこいですよね。 『ファスト&スロー(下)』を読み返すと、その迷いの正体が少しだけ輪郭を持ちます。私が刺さったのは、まず「確率を判断しているつもりでも、実際は“思い浮かべやすさ”に左右されている」という指摘でした。めったに起きないリスクに過剰反応してしまう理由が、日常の自分の行動にもそのまま当てはまって苦笑いしました。 もう一つは、売り手と買い手の判断が同じはずなのにズレる“保有効果”の話。仕事で何かを手放せないときや、改革が進まない組織の空気にもつながる視点で、単なる心理トリック以上の実感があります。何を持っているかより、どういう位置づけでその選択を見ているかで、まるで違う結論になるんですよね。 そして、直感をいつ信じていいかの基準も、この本はけっこう現実的です。経験が積み上がる環境にいる人の直感は頼りにしてよくて、逆に「自信の強さ」は何の指標にもならない。このあたりは、迷いやすい人ほど救われるところだと思います。 自分の判断の癖をもう少し丁寧に扱いたい人に向く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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