
傷ついた日本人へ(新潮新書)
ダライ・ラマ14世
新潮社 / 2012-04
この本について
最近、「何を基準に生きればいいのか」がよく分からなくなることがあります。自分の軸を持ちたいのに、情報も価値観も多すぎて、どれを信じていいのか迷う。しかも、悩みが長引くほど、いつの間にか自分で自分を追い詰めていたりします。気づけば、苦しみそのものがひとり歩きしているような感覚になることもあります。 この本が面白いのは、宗教の話をしているように見えて、実は「心の扱い方の基準って、こうやって作るんだよ」という、とても現実的な視点を渡してくれるところです。例えば、教えや先生を一つに決めて盲信する必要はなく、複数の視点を持つ方がむしろ健全だという話は、今の情報過多な世界にそのまま当てはまります。また、精神的な営みを後回しにすると、心がどんどん貧しくなるという指摘も、日々の忙しさに流されがちな人には刺さるはずです。さらに、ただ瞑想をすれば心が整うわけじゃなくて、知識と実践が両輪だという話は、自己流のメンタルケアに限界を感じている人にしっくりきます。 「ちゃんと心と距離を取って向き合いたい人」に向いている一冊です。大げさに救われるわけじゃないけれど、自分の苦しみがどこから来ているのかをていねいに見直す、静かなきっかけをくれます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
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