
衆愚の果て
高嶋哲夫
幻冬舎 / 2012-10-10
この本について
政治や組織の話を見聞きするたび、「あの人たちって結局なにをしてるんだろう…」みたいな、割り切れないモヤモヤを抱えることがあると思います。自分が選んだはずの誰かが、気づけば遠いところで別の景色を見ている。文句を言いたい気持ちと、でも自分にも責任があるのかもしれないという後ろめたさが、同時に押し寄せてくるあの感覚です。 『衆愚の果て』の抜粋を見ていると、読者が刺さっているのは「責任の所在があいまいなまま、集団全体がゆっくり悪い方向へ転がっていく構造」なんだろうな、と感じます。年収二千万もらって何もしない政治家を“合法的な詐欺師”と呼ぶ辛辣さより、その詐欺師を選んだのは誰か、という問いのほうが重く響く。登場人物の清美の揺れ方も、私たち自身の迷いに近いところがあります。 この作品が効くのは、単に政治批判としてではなく、自分も含めた“集団の意思決定”の弱さを直視させてくれるところです。何かを任せた瞬間に思考停止してしまう怖さとか、誰かがやってくれるだろうと期待してしまう甘さとか、日常の小さな場面にもつながる感覚が多い。読み終わったあと、自分なら何を見て判断するのか、少し冷静に考え直すきっかけが生まれます。 特に、「選ぶ側の責任」にずっと違和感を抱えてきた人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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