
カラマゾフの兄弟 完全版
フョードル・ドストエフスキー
ゴマブックス株式会社 / 2013-03-22
この本について
最近、「ちゃんとやらなきゃ」と思うほど空回りしたり、誰かの何気ない一言を勝手に大きく受け取って疲れてしまうことがありませんか。自分で自分をややこしくしている気はするのに、じゃあどうすればいいのかはよくわからないまま、日々が進んでいくようなあの感じです。 『カラマゾフの兄弟』を読んでいて印象的なのは、登場人物たちの迷い方が、意外なほど“今の自分”に近いことです。自分に嘘をつけば真実が見えなくなる、とか、潔癖すぎると逆に身動きが取れなくなる、とか、誰にでも起こり得る心のねじれ方が、そのまま言葉になっているように思います。特に「針ほどのことを棒のように言いふらす」みたいな感情の暴走は、読んでいて思わず耳が痛くなるほど具体的です。さらに、目的に向かって努力しているのに遠ざかる感覚や、誰にも言えないしんぼう強い悲しみの存在まで、ひとつひとつの描写が、自分の中に置きっぱなしにしていた気持ちに触れてきます。 この本は、問題を解決してくれるタイプではありませんが、自分の中で起きていることをまっすぐ見ようとするきっかけにはなります。読後に少しだけ、自分の判断や感情を信頼してもいいかもしれないと思える。そのくらいの“微調整”をしてくれる本です。迷ったままでも前に進むしかない人に、静かに効くと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの57%が集中しています。
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