森博嗣の道具箱 The Spirits of Tools (中公文庫)

森博嗣の道具箱 The Spirits of Tools (中公文庫)

森博嗣

累計読者数4
平均ハイライト数 2件/人
star総合評価 29/100
boltライト読書型

この本について

何かを始めたいのに、「自分にできるのかな」とか「もっと効率よくやらないと」と考えすぎて、手が止まることってありますよね。僕もよくそこで足踏みしてしまうタイプなんですが、この本を読んでいると、実は迷っているポイントがズレていたのかもしれない、と静かに気づかされました。 森さんは、ものづくりで一番のハードルは技術ではなく“作ると決めること”だと書いています。決心さえ越えてしまえば、あとは退屈な作業を続けるだけ。これは創作だけじゃなく、企画でも勉強でも同じだなと感じました。そしてもうひとつ刺さったのは、「最適化しすぎると柔軟性を失う」という視点です。完璧を求めるほど選択肢が狭まり、動きづらくなる感覚に心当たりのある人は多いと思います。 さらに、トラス構造の話のように、一見専門的な題材を通して「ものごとの仕組みをどう捉えるか」を見直させてくれるところも、この本の魅力でした。規格が違ってもなんとか使える“アバウトさ”の価値や、無駄や余白を抱えた先にしか新しい発想は出てこないという考え方は、焦りがちな日常の速度を少しだけ落としてくれます。 新しいことに踏み出したいのに、自分の中の迷いでブレーキをかけてしまう人に、静かに効いてくる本だと思います。

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