
楊令伝 九 遥光の章 (集英社文庫)
北方謙三
集英社 / 2012-02-17
この本について
最近、仕事でも生活でも「自分ひとりでなんとかしよう」と踏ん張りすぎて、逆に視野が狭くなっている人、多い気がします。がんばっているのに空回りしているような感覚とか、周りを信じきれないまま突っ走ってしまう感じとか、僕自身もしょっちゅうあります。 『楊令伝 九』の抜粋を並べて読むと、そんな行き詰まりに風穴があく瞬間がいくつもあって、読者がそこに強く反応しているのがわかります。たとえば、林冲や史進が「風になる」ように、余計な思考をそぎ落としてただ役目を果たす場面。あるいは、楊令が「心を同志に預けていた」と言うように、自分の全部を抱え込まずに託す姿勢。さらに、伯父を超えられない苦さや、惚れた相手を失った痛みを抱えながらも、「ちゃんと生きたら、ちゃんと死ねる」と言い切る祖永の潔さ。どれも強がりじゃなく、人の弱さを前提にした踏ん張り方なんですよね。 読みながら思ったのは、目的よりも「どう立つか」の方が先に問われる場面が人生には多いということです。やりすぎてしまう隊長が指摘されるシーンなんて、まさに自分を見ているようでした。気持ちの整理がつかないと、正しい判断すら歪む。だからこそ、彼らのように仲間の存在や役割に身を預ける感覚は、物語でありながら現実にもそのまま効いてくるところがあります。 物事を力技で突破しようとして疲れてしまった人にこそ、静かに刺さる巻だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要









