
いちばん嫌な敵 妻は、くノ一 蛇之巻1 (角川文庫)
風野 真知雄
この本について
最近、人の気持ちが読めないというか、「相手は何を考えて動いているんだろう」と分からなくなることがよくあります。距離を置きたいわけじゃないのに、妙な探り合いになってしまうあの感じです。自分の中の不安が膨らむほど、相手の一言や仕草を必要以上に深読みしてしまったりしますよね。 『いちばん嫌な敵 妻は、くノ一』を読んでいて感じたのは、そんな“読み合いの疲れ”にちょっとした余白をくれる物語だということです。忍びの世界ってもっと殺伐としているイメージなのに、登場人物たちはどこか抜けていて、人の感情に振り回されながらも妙に人間くさい。読者が抜粋していた「眺めたらけろりと忘れてしまいそう」というゆるい空気や、老いた下忍たちが名前を呼ばれて胸をときめかせる場面には、肩の力がふっと抜けるような可笑しさがあります。誰かを警戒しながらも、完全には突き放せない距離感。その揺らぎが、今の私たちの生活にもどこか重なるんですよね。 張り詰めた緊張のなかでも、人は案外しょうもないことで心が動くし、つい誰かを応援したくなってしまう。そんな視点を思い出させてくれるので、対人関係で疲れやすい時ほど効く物語だと思います。慎重になりがちな人、誰かの気配に振り回されやすい人には特に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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