
脳はなにを見ているのか (角川ソフィア文庫)
藤田 一郎
KADOKAWA / 2013-04
この本について
仕事で判断に迷ったとき、自分が見ている「事実」ってどこまで信用していいのか分からなくなることがあります。人の表情も、数字も、景色も、そのまま受け取っているつもりなのに、あとで全然ちがった意味だったと気づくことがある。あの違和感の正体がどこにあるのかを、ずっと言葉にできずにいました。 『脳はなにを見ているのか』は、そのモヤモヤに静かに切り込んできます。網膜に映った瞬間には「見えて」いなくて、脳が情報を処理してようやく世界が立ち上がるという話は、自分の認知のクセを外から眺め直すような感覚があります。特に、同じ刺激でも脳内の活動は揺れ動き、その揺れが知覚のゆらぎになるという説明は、「だから人は同じものを同じように見られないのか」という腹落ちにつながりました。また、視覚が意識と行動に分離するというケースを読むと、普段の判断のブレも、単なる性格ではなく脳の仕組みの一部なんだと少し安心できます。 錯視や脳損傷の研究を使いながら、脳がどうやって世界を復元しているのかを追っていく流れは難しすぎず、でも甘くもない。自分の「見えている」はもっと不確かで、だからこそ丁寧に扱う価値があると気づかされます。ものの見方が固まってきたと感じる人には、じわっと効いてくる本だと思います。
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ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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