
問題解決のジレンマ―イグノランスマネジメント:無知の力
細谷 功
東洋経済新報社 / 2015-04-16
この本について
仕事で「なんで自分はいつも同じところでつまずくんだろう」とか、人との議論で「見ている景色が噛み合わない理由がよくわからない」と感じること、けっこうあると思います。自分なりに考えているつもりでも、どうやら“事実”と“解釈”がごちゃまぜのまま整理できていないことが多いんですよね。僕自身も、問題の本質を探るつもりが、いつの間にか目の前の情報だけで判断していたことを何度も思い出します。 この本がおもしろいのは、「知っているかどうか」よりも「自分が何を知らないかに気づけているか」に視点を切り替えてくれるところです。たとえば、同じ現象を見ても解釈は時間で変わるとか、理解とは“分ける”と“つなげる”の往復だとか、一度腑に落ちると日常の判断にそのまま影響してきます。また、与えられた問題をきれいに解くスキルと、新しい問題を見つけるスキルはまったく別物だという指摘も、仕事で「なんか違和感があるけど言語化できない」と感じる瞬間を説明してくれます。無知を避けるのでなく、無知の構造そのものを使って思考の幅を広げる、という発想がじわじわ効いてきます。 既存のやり方に違和感があるけれど、何をどう見直せばいいのか掴めていない人にはとくに刺さる本だと思います。自分の思考の前提がどこで固定されているのかを一度見直したいときに、静かに背中を押してくれる一冊でした。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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