
サードウェーブ! : サンフランシスコ周辺で体験した最新コーヒーカルチャー
茶太郎豆央
この本について
コーヒーが好きでも、店ごとに語られる「いい話」と、産地で起きている現実のギャップにひっかかることってありませんか。おしゃれな雰囲気は楽しめるのに、どこか心の奥でモヤっとしたまま飲んでいる感じというか。僕もスタバやチェーンの便利さに助けられつつ、その裏側をどう受け止めればいいのかずっと迷っていました。 この本は、そのモヤモヤに対して派手な答えをくれるわけではないのですが、視点が少しずつ変わる瞬間が何度もありました。世界中で同じ味を提供するためには、どれだけの量を、どんな価格で、どんな仕組みで集める必要があるのか。そこに生産地との軋轢が生まれる理由も、読んでいくうちに腑に落ちます。また、「フェアトレードだから全部きれいごと」という思い込みも揺さぶられます。現場の工夫や限界、都市生活者側の都合とのあいだでどう折り合いがつけられているのかが、淡々と描かれていて、逆に信頼できました。 さらに印象に残ったのは、サードプレイスという概念がただのキャッチコピーではなく、本来は都市で生きる人の心理に根ざした考え方だと説明されていた点です。僕らが「なんとなく落ち着く場所」を欲しがる理由を知ると、店選びの基準も少し変わりますし、コーヒーを飲む時間そのものの意味が広がる感じがあります。 チェーンのコーヒーを日常的に飲みつつ、どこかで「この仕組みって本当はどうなってるんだろう」と感じていた人に刺さる一冊だと思います。
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