
田口護のスペシャルティコーヒー大全 知識編
田口 護
NHK出版
この本について
コーヒーを好きで飲んでいるはずなのに、産地や精製法の話になると一気に自信がなくなることってありませんか。酸味が強いとか香りがどうとか言われても、正直どこから手をつければいいのか分からないまま、「なんとなく好き」で終わってしまう。僕もずっとそのタイプで、専門用語を調べても結局霧が晴れない…という状態が長く続いていました。 この本が面白かったのは、知識を積み上げるというより「コーヒーの世界の見え方が変わる」感じがあったことです。たとえば、品種より焙煎のほうがキャラクターに影響するという視点や、ヌルヌルの量ひとつで甘みや香りが変わるという現場のリアリティ。さらに、南北の経済構造や、なぜスペシャルティコーヒーに“はっきりした定義がないのか”という事情まで書かれていて、味の差の裏側にある人と環境の話がすっとつながってくるんです。ハニーやナチュラル、スマトラ式といった精製法も、工程の違いがそのまま味として立ち上がってくるのが実感しやすくなりました。 ただ知識が増えるというより、普段飲んでいる一杯に「こういう背景があったのか」と気づけるようになる本です。どんな豆を選ぶか迷う人よりも、「なんで味が違うのか知りたい」「コーヒー農家の現状も含めて理解したい」という人に静かに刺さると思います。普段の一杯に少しだけ深さを足したいときにちょうどいい一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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