
アスペルガー症候群
岡田尊司
河出書房新社 / 2017-05-18
この本について
「自分はどうして人並みにうまく立ち回れないんだろう」とか、「興味があることには集中できるのに、日常の雑務になると途端に崩れる」とか、そんなモヤモヤを抱えたまま大人になった人は少なくないと思います。周りにはうまくできているように見えるのに、自分だけ別のリズムで生きている感じがある。けれど、それが何なのか言語化できないまま積み重なっていく、あのしんどさです。 この本のいいところは、「不得意さ」と「得意さ」をどちらも丁寧に扱ってくれるところです。例えば、刺激に敏感で気が散りやすい理由が具体的に説明されている一方で、こだわりの強さや持続力がどうやって成果につながるのかも、歴史上の人物のエピソードを交えて教えてくれます。また、家庭や仕事でつまずきやすい場面についても、身も蓋もない現実を示しながら、それでもどう折り合っていけるかの実践的な視点がある。平均に寄せるより、自分の特性を軸にした環境づくりの重要さに気づかされます。 読みながら、自分の「弱点」だと思っていた部分が、ただ環境や段取りが合っていなかっただけかもしれないと少しだけ楽になります。一本で勝負した方がうまくいくタイプなのに、マルチタスクを求められて疲弊していた人には特に刺さると思います。 「自分の特性をどう扱えばいいのかわからないまま大人になってしまった人」に、静かに効いてくる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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