
脳はこんなに悩ましい
池谷裕二、中村うさぎ
新潮社 / 2015-11-01
この本について
最近、どうして自分の心ってこんなに面倒なんだろう、と感じる人が多いように思います。嫉妬の胸のざわつきも、理由もなく沈む日も、周りに合わせて「演じている感じ」も、説明しようがないまま積み重なっていく。頭では分かってるのに扱いづらい、あのモヤモヤです。 『脳はこんなに悩ましい』は、そういう“手に負えない自分”を、少しだけ扱いやすくしてくれる本でした。科学者の池谷裕二さんと、作家の中村うさぎさんが対話する形なので、小難しい理屈よりも「そういうこと、あるよね」という実感に寄り添ってくれる。たとえば、嫉妬したときに脳の報酬系が反応してしまう話を読むと、あの醜さみたいな感情も、まずは仕組みとして受け入れていいんだと思える。同じように、集中できない自分を責めていたけれど、動物はそもそも“注意散漫で生き残ってきた”という視点に触れると、ちょっと肩の力が抜けます。 そして個人的に刺さったのは、「心は環境に散在している」という考え方でした。家族の前と仕事場で人格が違う自分は、どれが本音なんだろうと悩んでいたのですが、そもそも“演じる自分”も含めて全部が自分だ、と許せるようになる。こういう視点の変化が、この本の一番の価値だと思っています。 自分の心の扱い方に迷っている人、そして「もっと楽に自分と付き合えたらいいのに」と感じている人には、かなりしっくり来るはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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