
空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む (集英社文庫)
角幡唯介
集英社 / 2012-09-20
この本について
最近、「自分は何のために頑張っているんだろう」とか、「毎日ちゃんと生きてはいるけど、実感が湧かない」とか、そんなモヤモヤを抱えている人、多い気がします。僕もよくその沼に落ちます。日常は安全で便利だけど、そのぶん“自分の輪郭”みたいなものがぼやける瞬間があるんですよね。 『空白の五マイル』を読んで刺さったのは、著者が極限の環境で体験した「ただ生き延びる」ことの重さが、こちらの日常と地続きに感じられたところでした。自然はやさしくも癒しもしてくれない。ただ情け容赦なく、つねに命のギリギリを突きつけてくる。そんな環境に身を置くと、“いい人生ってなんだろう”という問いが抽象論ではなく、自分の身体の内部から湧き上がってくるように変わるんです。これは自己啓発的な答えをくれる本ではなく、むしろ「問いの手触り」を取り戻させてくれる本です。 もうひとつ印象に残ったのは、「意味づけしなくても、行ったという事実だけで十分だった」というくだり。大層な物語なんていらなくて、自分がそこで感じたことが静かに残る。それを読んだ時、日常の中でも“意味のあることをしなきゃ”と焦る気持ちが少し緩みました。 自分のペースでいいけど、生きている実感をもう少し取り戻したい。そんな人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの48%が集中しています。
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