
ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)
岩井克人
この本について
仕事でも生活でも、「なんでこんなに新しいものを追いかけてしまうんだろう」とか、「誰かの目を気にして選択してしまう瞬間って、結局どこから来るんだろう」というモヤモヤってありますよね。自分の欲望が本当に自分のものなのか、ふと立ち止まったときに正直よく分からなくなることがあります。 岩井克人『ヴェニスの商人の資本論』は、そのモヤモヤを真正面から扱ってくれる本でした。資本主義の仕組みを語りながら、実は人間の「他者に認められたい」という欲望が、模倣と差異化という形で動いていることを丁寧に説明してくれるんです。新商品が欲しくなる理由や、他人と同じだと落ち着くのに同時に違いたくもなる矛盾を、経済と欲望の両面から位置づけてくれます。読むと、自分の行動が単なる気分ではなく、社会装置の中でどう生まれているかが少し整理される感じがありました。 また、貨幣や利子といった言葉が、実は「時間の差異」や「閉じた関係を外に開く装置」として語られていくあたりもおもしろくて、シェイクスピアの物語を使いながら人間の欲望と資本の動きを重ねていく視点が、普段のニュースや仕事の判断を見直すきっかけになります。 自分の「欲しい」「選びたい」にどれだけ他者の影が入り込んでいるのかを静かに確かめたい人に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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