
いま生きる「資本論」
佐藤 優
新潮社 / 2014-07-30
この本について
仕事の判断をするとき、「なんで自分はこれを選んでいるんだっけ」と立ち止まる瞬間がよくあります。ロジックで説明できると思っていたのに、結局は言葉にならない前提に寄りかかっていたりして、少しもやっとする。今回の抜粋を見ていて、「重要なことほど説明できない」というところに反応している人が多いのも、その感覚に近いのかなと思いました。 『いま生きる「資本論」』は、そんな“もやり”の正体を、資本主義という大きな枠から静かに照らしてくれる本です。資本がどう自己増殖していくのか、どこに閾値があって人の感性まで巻き込んでいくのか。ふだん自分が使っている言葉が、実証のためのものなのか、それとも前提を語るためのものなのか。このあたりが整理されると、仕事の判断も少しだけ落ち着きます。例えば、なぜ自分が「これが正しいはずだ」と思っているのかを、一段下から見直せるようになる感覚がありました。 資本論というと難しそうですが、この本は実際の経済の風景や具体的なエピソードを織り込んでいて、抽象だけが宙を舞う感じにはなりません。信頼が裏切られても仕組みに順応し続けてしまう心理の話なんかは、資本とか思想というより、日常の延長として染みます。 自分の判断の“根っこ”が気になり始めた人に、静かに効く一冊です。
読書インサイト
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多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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