
方丈記 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
鴨 長明 and 簗瀬 一雄
KADOKAWA / 2010-11-25
この本について
最近、「頑張って働いてるはずなのに、なんでこんなに不安なんだろう」とか、「住まいも仕事も、思ったより脆いな…」と感じる瞬間がけっこうあります。環境が変わるたびに落ち着かなくなる自分に、うんざりすることもあります。 方丈記を読むと、その不安そのものが人間の普遍的な揺らぎなんだと、少しだけ肩の力が抜けます。たとえば、危険な場所に家を建てて悩む様子が「愚劣」と言われているのに、妙に刺さります。今の自分たちも、場所こそ違えど同じように「安心」を追いかけて振り回されているだけなんだと思えてくるんです。災害で生活があっけなく壊れる描写も多くて、嫌でも「変わるものにしがみつく苦しさ」を直視させられます。だけど同時に、雲のように自分を扱う生き方や、四季をただ眺めるだけの楽しさが語られていて、逃げではない軽さというものが少しわかってきます。 大げさに人生観が変わる、というより、日々の焦りを一段だけ下げてくれる本です。常に何かを確保しようとして疲れやすい人や、自分の生活が不安定に感じて落ち着かない人にはとくに合うと思います。読んでみると、今抱えている不安を「自分ひとりの欠陥」ではなく、昔から続いてきた人間の宿題として見られるようになります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの58%が集中しています。
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