
マリアビートル (角川文庫)
伊坂 幸太郎
KADOKAWA / 2013-09-25
この本について
日々、人の言動に振り回されたり、「自分の判断って本当に自分のものなのか」と不安になる時があります。正しさも倫理も、人の機嫌や空気に左右されてしまう場面が多くて、気づくと疲れてしまうんですよね。僕もよくその迷路に入り込みます。 『マリアビートル』は、一見するとドタバタした物騒な物語なんですが、人の行動原理や同調、無力感、言葉の使い方についての生々しい視点が静かに刺さります。たとえば、「人は正しさより“正しいと思わせる力”に従う」とか、「周囲の影響でほとんどの判断が形づくられる」とか、言われてみれば分かるけれど、普段は意識しない感覚が物語の中で何度も揺さぶられます。登場人物の何気ないセリフに、自分も似た状況で流されていたな、と後から気づくことがあるはずです。 そして意外に効くのが、「生きてるみたいに生きてみよう」というあのゆるい言葉。状況がどうであれ、麻痺せずに自分の足で立ち直ろうとする小さな力が、物語の混沌の中でじわっと光ります。 空気に強く引っぱられがちな人や、判断に自信をなくしている人に特に刺さる一冊だと思います。僕自身、読み終わったあと、他人の価値観に飲まれすぎない距離の取り方を少しだけ思い出しました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの34%が集中しています。
読書の順序
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