
777 トリプルセブン (角川書店単行本)
伊坂 幸太郎
KADOKAWA / 2023-09-21
この本について
人と比べて落ち込んだり、足りないものばかり数えてしまったり、焦りの正体がよく分からないまま日々が進んでいくことってありますよね。僕もよくそうなるのですが、『777 トリプルセブン』を読んでいると、そのモヤモヤに少しだけ風が通る感じがありました。物語としてはスピード感のある伊坂幸太郎作品らしい展開なのに、ところどころで「自分の生き方とか価値観の癖」をふと振り返らされるんです。 特に残ったのは、誰かと比較して不幸が始まる瞬間の話や、「梅は梅になればいい」というあの軽やかな価値観でした。優越感や劣等感に振り回される構造を、物語の中で自然に示してくれるので、説教っぽさがないのに妙に納得してしまいます。また、登場人物がときどき口にする、運との付き合い方や、焦りで判断を誤る場面は、自分の仕事の癖にもつながってきて、ああ、こういうときって結局「落ち着いて最善を尽くすしかないんだよな」と思わされました。 それから、物語の裏で何度も示される「誰かの大変さは分からない」という姿勢も好きでした。無理に理解しようとせず、でも完全に突き放すわけでもない距離感が、現実の人間関係にも使えるんですよね。 物語としての面白さはもちろんありますが、それ以上に、生き方の視点をちょっとだけ整えてくれる一冊でした。 他人軸で疲れやすい人、つい自分を責めてしまう人には特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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