
英語達人列伝 あっぱれ、日本人の英語 (中公新書)
斎藤兆史
中央公論新社 / 2000-05
この本について
英語を勉強していると、「文法はわかるのに、どうしてか英語らしくならない」というモヤモヤが出てきます。自分でも説明できない違和感だけが残って、何を直せばいいのか判断できないまま、参考書を買い足してしまうあの感じです。 この本を読んでいて刺さるのは、まさにその“英語らしさ”の正体に触れているところだと思います。抜粋にあった「英文の調子」という言葉は、勉強を積んだ人ほど気になるポイントで、でも誰もはっきり教えてくれない部分です。著者は、文法のテクニックではなく、いい英語を徹底的に読み、聴き、体に染み込ませるプロセスの重要さを、過剰に美化せずに語っています。自分の学びにも置き換えやすく、「ああ、そうやって身につけたんだ」と納得できる具体性があります。 さらにこの本の良いところは、過去の“英語の達人”たちが、必ずしも特別な才能や環境に恵まれていたわけではないとわかる点です。日本橋を歩いていた新渡戸稲造のように、日常の延長で試行錯誤していた姿が描かれるので、英語に向き合う自分の迷いも少しそのまま肯定された気がします。 英語の勉強が「正しさ」よりも「調子」を掴む段階に差し掛かっている人には、特に刺さる本だと思います。
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