
折口信夫(釈迢空)大全
折口信夫
この本について
日々の仕事や生活の中で、「自分のやっていることの根っこって何なんだろう」と急に立ち止まる瞬間がありませんか。理屈では説明できないものに惹かれたり、逆に不気味に感じたりするのに、その正体がつかめないまま放置してしまう。そんな曖昧な感覚に、折口信夫の文章は静かに輪郭を与えてくれます。 読者が抜き出した箇所を見ていると、放浪芸能の集団や、海の彼方から訪れる常世の神、土地の精霊としての天探女の話など、境界に生きる者たちへの視線に強く反応しているように感じます。折口はこれらを特別な力として持ち上げるのではなく、人がどのように「人ならざるもの」と共に暮らしてきたのか、その生活の手触りごと描き出していく。そこにあるのは学説よりも、具体的な土地の光景や、そこで息づいていた人びとのやり方です。 読んでいるうちに、自分が感じてきた違和感や惹かれ方にも、ゆるい道筋が通っていく感覚があります。たとえば、なぜ特定の土地に立つと落ち着くのかとか、なぜある物語にだけ妙に胸を持っていかれるのかとか、そういう小さな謎が急に自分ごととして回り始める。本書はそういう「整理しきれない感覚」を持ったまま生きている人に、過剰に答えを出さず、でも確かに視界を広げてくれる一冊です。 昔話や芸能にただの知識以上の何かを感じてしまう人に、そっと届くと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの78%が集中しています。
読書の順序
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