
古事記(完全版): 現代語訳+古事記物語+英文と絵画で読む
太安万侶, 鈴木三重吉, 武田祐吉, 稗田阿礼, and 楽しく読む名作出版会
イースト・プレス / 2009-11
この本について
最近、仕事でも人間関係でも「自分の役割って、本当はどこなんだろう」とぼんやり迷うことが増えてきました。頑張っているつもりでも、どこか地に足がつかない感じ。そんな時に『古事記』を読み返すと、神々ですら任された場所に馴染めず、泣きわめき、ぶつかり合い、ときには別れを選んでいる姿が描かれていて、妙にほっとするんです。 たとえばスサノヲが与えられた領域を放り出して泣き続けるところや、イザナギとイザナミが黄泉比良坂で互いに言葉を交わしながら別れていく場面。どちらも「理屈では割り切れない感情」がそのまま物語になっていて、自分の混乱や行き場のなさをそのまま認めてもいいんだと思えてきます。また、天照・月読・スサノヲにそれぞれ治める世界が分けられるくだりは、役割が与えられるというより、役割に向き合うことで自分が決まっていくような感覚があり、今の仕事への距離感を少しだけ変えてくれました。 完全版は現代語訳と物語調の文が並んでいるので、神話特有の堅さに気後れしていた自分でも自然に入っていけました。決して現実の悩みを一気に解決してくれるわけではないのですが、混沌のなかでゆっくり形が生まれていくような視点がもらえる本です。 「自分の居場所や役割にずっとモヤモヤしている人」にほど静かに効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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