謎とき 村上春樹 (光文社新書)

謎とき 村上春樹 (光文社新書)

石原 千秋

累計読者数12
平均ハイライト数 11.5件/人
推定読了時間 約6時間48分
star総合評価 50/100
start序盤集中型

この本について

最近、物語を読んでいて「登場人物は動いているのに、自分の中では何も片付いていない」という感覚になることが多くて。特に村上作品だと、主人公が成長しないまま物語が進むあの独特の停滞感に、自分のモヤモヤがそのまま映っているように思うことがあります。でも結局それが何なのかは、読み終わってもしばらく掴めないままなんですよね。 『謎とき 村上春樹』は、そのモヤモヤの正体に静かに光を当ててくれる本でした。たとえば、読者が保存していた引用にもあるように、「変化しない主人公」がなぜ成立してしまうのか、とても具体的に言語化してくれますし、ワタナベトオルの「ぬかるみ」や「誤配」といった描写が、ただの比喩ではなく“物語を動かす仕組みそのもの”として読めるようになります。また、ホモソーシャルや神話化といった大きめの概念も、作品の具体的な場面に落とし込んで説明されているので、抽象論に置いていかれる感じがありません。 自分の場合、この本のおかげで「物語を読む=登場人物の感情を追うこと」だけじゃない読み方を、少しずつ身体で理解できるようになりました。あの“なんか引っかかる”感じに名前をつけられるようになるのは、思っていた以上に安心します。 村上春樹を読み返すたびに同じところで立ち止まってしまう人に、たぶんいちばん刺さる本です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

謎だらけの小説から誰も見つけていない宝物を探し当てることができるか。「自己神話化」するテクストを読む。
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