
子どもの「10歳の壁」とは何か?~乗りこえるための発達心理学~ (光文社新書)
渡辺 弥生
この本について
子どもの9〜10歳あたりで「急に勉強が難しくなる」「気持ちが不安定になる」「こちらの声掛けが届きにくくなる」。親でも先生でも、理由がつかみにくい時期だと思います。自分も甥っ子や生徒を見ながら、どこまで支えて、どこから見守ればいいのかいつも迷っていました。 この本は、その“よく分からない変化”を、発達の段階として丁寧に言語化してくれます。例えば、抽象的なことが一気に難しくなる理由とか、自尊心が下がりやすい時期だという研究的な背景とか、想像上の観衆に振り回されて自意識が暴走しがちな時期だとか。「そういうことだったのか」と腑に落ちる説明が多くて、接し方の力みが少し抜けました。 それに、この年代はまだ親の影響を受けつつ、同時に友達関係にも強く引っ張られる不安定な時期だと知ると、「今の反応そのままが人格じゃない」と思えるようになります。行動の表面じゃなく、動機や理由に目を向ける必要があるという話も、日々のちょっとしたやり取りで意識できるようになりました。 特別なテクニックが増える本ではなく、「この年齢はこういう力が育ちつつある時期なんだ」と地図を渡してくれる感じです。子どもにどう寄り添えばいいか迷っている大人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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