
反論する技術 弁護士だけが知っている
木山泰嗣
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2012-06-13
この本について
議論の場で、気づいたら相手のペースに飲まれていたり、言いたいことがうまく形にならなかったり。仕事の打ち合わせでも、家庭内の話し合いでも、こういうモヤモヤはけっこうあると思います。僕も「なんとなく負けた気がする」みたいな感覚だけ残る時間が、ときどきありました。 この本が面白いのは、勢いでねじ伏せるような話し方ではなく、事実を淡々と積み重ねるだけで議論の流れを取り戻せる、という視点が具体的に書かれているところです。たとえば、時系列で事実を並べるだけで一貫性が生まれ、相手も強く突っ込めなくなる。あるいは、話題がイヤな方向に向かいそうだと感じた瞬間に、自然な接続詞でスッと場を切り替える。こういう「小さな手ざわり」の技術が多いので、場数が少なくても使いやすいんですよね。 もうひとつ印象に残ったのは、キーパーソンの価値観に合わせて言葉を選ぶ、という考え方です。数字が好きな人と情熱を重んじる人では、響くポイントがまったく違う。ここを丁寧に見極めるだけで、同じ意見でも通り方が変わるのは、実際の仕事でもよく感じるところです。さらに、失敗事例もあえて出すことで議論に厚みをつくる、という姿勢も、表面的な前向きさに流されがちな場では助けになります。 「言い負けたくはないけど、攻撃的にもなりたくない」という人には、かなりしっくりくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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