
呼吸入門 心身を整える日本伝統の知恵 (角川新書)
齋藤 孝
KADOKAWA / 2015-03-10
この本について
忙しい日ほど、なぜか呼吸が浅くなっていることに気づく瞬間があります。人と話していて噛み合わなかったり、違和感に触れた途端に心が固まってしまったり、気づけば「息を止める」ほうにクセが寄っている。自分もそうで、疲れが溜まるとまず呼吸が乱れ、そのまま思考まで凝り固まっていくことが何度もありました。 この本は、そんな時に「深く整える」というよりも、もっと等身大のところに手を伸ばしてくれます。たとえば、違和感にぶつかった瞬間に息を吸ってゆっくり吐き、内側にスペースを作るという視点。これは実際やってみると、反射的に閉じてしまう心の回路を少しだけ開く練習になります。また、会話のテンポが噛み合わない時は相手の吸う息を感じること、というのもかなり現実的で、仕事の場で意外なほど効きました。さらに、体を揺らしながら短く吐く「ほぐし呼吸」のように、机に張り付きすぎた時のリセット方法が具体的に示されているのもありがたいところです。 呼吸法というと抽象的な精神論に走りがちですが、この本は日常の動きや姿勢に落とし込んでくれるので、生活の延長で試せます。過去や未来に意識を持っていかれがちな人、つい力んでしまう人には特に刺さると思います。大きく変わろうとする前に、まず「息を止めない」ことからやってみる。その感覚を丁寧に教えてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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