
日々是修行 ――現代人のための仏教一〇〇話 (ちくま新書)
佐々木閑
筑摩書房 / 2009-05
この本について
最近、「自分の思い込みで勝手に疲れてるだけなんじゃないか」と感じる瞬間が増えていませんか。相手の表情ひとつで深読みしすぎたり、状況を白黒つけてしまったり、気づいたら自分の心がギスギスしている。頭では「世界は自分中心じゃない」と分かっていても、なかなかその視点に立ち戻れないことがあります。 『日々是修行』は、そういう日常のつまずきを一度フラットにし直してくれる本でした。仏教の話と聞くと大げさに思えますが、この本が扱うのは「超越者」でも「神秘」でもなく、ただ人間の心の仕組みと向き合うことです。努力して精神を集中し、智慧を使って自分の心を改良するという、驚くほど地に足のついたアプローチが提示されます。読んでいるうちに、「心が苦しくなる原因は外じゃなくて、自分の中の不合理なんだな」と、少しずつ腑に落ちていきました。 もう一つ印象的だったのは、釈迦を人間として描く姿勢です。完璧な存在として祈る対象ではなく、「この道を見つけた先輩」として信頼する。だからこそ、年を重ねること自体が修行になるという視点にも、妙なリアリティがありました。日々のモヤモヤに巻き込まれすぎた時に、余計な派手さや精神論に逃げず、現実的に「どう心を扱うか」を考える手がかりとして機能してくれます。 自分の心の扱い方を、もっと地道に見直したい人に刺さる一冊だと思います。
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