
新編 日本の面影 (角川ソフィア文庫)
ラフカディオ・ハーン and 池田 雅之
KADOKAWA / 2000-09-22
この本について
仕事でも生活でも、どうしてか頭で考えるほど行き詰まる時があります。知識は増えているのに、心がどこにも寄る場所を見つけられない感じというか。そんなときにこの本を開くと、自分が忘れていた「感じる側の自分」がゆっくり戻ってきました。 ハーンが見た日本は、風景や人の仕草や音までもが、理屈の前にすっと胸に入ってくる世界として描かれています。桜の木立ちの眩しい描写や、文字が生き物のように語りかけるという感覚は、日々の思考のスピードをふっと落としてくれるし、祈る所作や季節の行事を巡るやりとりには、説明よりも「長く続いてきた心の動き」のようなものがにじんでいます。どれも派手ではないのに、こちらの目線を少しずらしてくれる力があるんですよね。 特に、理性よりも想像力が幸福に貢献するのではないか、という一節は、考えすぎて固まっていた自分の頭を軽くほぐしてくれました。合理的に正しいかどうかより、いま目の前の世界をどう感じ取っているかを取り直すだけで、変な焦りが抜けていく。そんな読後感があります。 昔の日本を賛美する本、というより、他者の視線を借りて自分の感覚を整えるための本という位置づけに近いです。せわしない日常の中で「ちょっと呼吸を入れ直したい人」に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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