
ルーズヴェルト・ゲーム (講談社文庫)
池井戸潤
講談社 / 2014-03-14
この本について
仕事で数字を追いかけていると、「何を守るべきで、どこを削るべきなのか」みたいな線引きに迷うことが多いですよね。効率を上げろと言われても、人の気持ちや現場の空気は数字に出ないし、だからこそ判断がしんどくなる。僕自身、数字の話になるとドライになりきれないところがあって、その揺らぎをどう扱えばいいのかずっと考えていました。 『ルーズヴェルト・ゲーム』を読んで刺さったのは、まさにその「数字の裏にいる人間」をどう扱うかで登場人物たちが葛藤しているところです。仕入れ単価のように機械的に削れる数字と、人を切ることでしか減らない数字は、重さがまったく違う。作中ではそれを格好良く言い切るというより、登場人物が迷いながら向き合う姿が描かれていて、自分の現場に置き換えやすいんです。また、上場や金の話がちらつく場面では、「選択肢として正しいこと」と「自分が納得できること」が必ずしも一致しない現実がそのまま出てきます。 この本は、経営目線の正論を教えてくれるというより、判断に迷った時に「どんな価値観で決めたいのか」を静かに照らしてくれる感じです。数字を扱う仕事をしている人ほど、物語を通して自分の立ち位置が見えてくると思います。特に、成果と人間らしさの間で揺れ続けている人に刺さる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
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