
七つの会議 (日本経済新聞出版)
池井戸潤
日経BP / 2012-11-01
この本について
会社での立ち位置に迷ったとき、「自分は替えのきく部品なんじゃないか」とか、「この五年で何か得たのだろうか」とか、つい考えてしまうことがあります。出世を目指すのも違う気がするし、とはいえ流されるだけの毎日にも不安がつきまとう。そんな揺れる感じに覚えがあるなら、『七つの会議』のいくつかの場面はけっこう刺さると思います。 この物語が効いてくるのは、派手な成功よりも、「どう働くか」を静かに見直す視点が多いところです。たとえば八角の「期待しなければ裏切られない」という投げやりに聞こえる言葉も、実際には肩の力を抜いて自分の軸を取り戻すヒントになっていたりします。また、優衣や原島のように、知らず知らず“部品”になっていた人物が、自分の意思を取り戻す瞬間も描かれていて、ああ人はこうやって少しずつ主体性を取り戻すんだと感じさせられます。さらに、ねじ六のような小さな会社の描写から、誠実さを貫くことの代償と意味がちゃんと描かれているのも、この作品ならではです。 派手な逆転劇ではなく、等身大の働き方や迷いに寄り添ってくれる物語が読みたい人に向いています。今の仕事にモヤモヤがあるけれど、何を変えればいいのかまだ掴めない、そんなときにそっと背中を押してくれる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの37%が集中しています。
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