
イリヤの空、UFOの夏 その4 (電撃文庫)
秋山 瑞人 and 駒都 えーじ
KADOKAWA / 2003-08-10
この本について
大人になってくると、理由がない選択をするのがだんだん怖くなりますよね。正しさとか、周りの都合とか、あとで説明できるかどうかばかり気にしてしまって、ふと「ほんとはどこに行きたかったんだっけ」と分からなくなる瞬間があります。僕もよくそこで立ち止まります。 『イリヤの空、UFOの夏 その4』の抜粋を見ていると、浅羽がほとんど衝動だけで南へ向かう場面や、バスの終点のあの静けさがやけに胸に残るんですよね。説明できない決断なのに、なぜか風景だけは鮮明で、その“確かさ”に救われる。携帯電話がタイムマシンみたいになるのも、過ぎてしまった時間に手を伸ばしたい気持ちをそのまま映していて、ああ、こういう感覚って誰にもあるよなと思わされます。 この巻が効くのは、選んだことに自信はないけれど、それでも前に進むしかないときです。理由は後からついてくるのかもしれないし、ついてこないのかもしれない。でも、少なくとも「自分はどこで立ち止まり、何をもう一度確かめたいのか」が少しだけ見えてくる。そんな読後感があります。 言葉にできないモヤモヤを抱えたまま進んでいる人に、そっと寄り添う一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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