
イリヤの空、UFOの夏 その3 (電撃文庫)
秋山 瑞人 and 駒都 えーじ
KADOKAWA / 2002-09-10
この本について
仕事でも日常でも、気づいたら「引き返せるかどうか」ばかりを考えてしまう時ってありますよね。失敗したくない気持ちが先に立って、結局どこにも踏み出せないまま一日が終わる。頭では分かっていても、体が動かないあの感じ、ぼくもよくハマります。 『イリヤの空、UFOの夏 その3』の抜粋を見ていると、そういう迷いとはまったく別の場所で、人が一線を越える瞬間の質感が丁寧に描かれていて、なぜか心が静かになるんですよね。泥だらけになって進むしかない場面や、夜の匂いと虫の音だけが染み込んでくるような描写が続くと、「覚悟」って大ごとじゃなくて、目の前の動作をひとつずつ積み重ねるだけなんだな、と自然に腑に落ちてきます。水前寺がバックパックを背負ってテントを出るシーンも、劇的ではないのに、不思議とこちらの背筋が伸びる感じがありました。 この本が効いてくるのは、勢いで自分を変えようとするのではなく、あの静かな決断の温度を思い出させてくれるところだと思います。進むかどうか迷ったときに、余計な自己啓発よりも落ち着いて前に足を出せる。そんなふうに、自分のペースを取り戻したい人には特に刺さるはずです。 一歩を踏み出す理由を外側に求め続けて疲れてしまった人に、そっと置いておきたい一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
読書の順序
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