
万能鑑定士Q:全事件簿 (角川文庫)
松岡 圭祐
この本について
仕事でも日常でも、「なんとなく違和感はあるのに、理由を言語化できないまま流してしまう」ことがけっこうあります。あとから振り返って「あのとき、もう一歩踏み込めてたらな」と思うやつです。 『万能鑑定士Q』を読んでいて感じたのは、その“踏み込む一歩”のつくり方が、物語の随所にさらっと置かれていることでした。理由を一つに絞る考え方とか、事象を=、VS、→で整理する姿勢とか、ほんの些細な違和感をどう扱うかの姿勢が、キャラクターたちの会話や推理のなかで自然に示されているんです。専門知識がバラバラに登場するのに、読み終わるころには「観察ってこういう積み重ねなんだな」と腑に落ちる瞬間がある。 個人的には、日々の判断で迷うときに、この本で描かれる“見えない前提を疑う癖”がけっこう役に立ちました。例えば、部屋の配置や道具の使い方、ほぼ気にしていなかった細部が「なぜそうなっているのか」を考え始めるだけで、状況の見え方が変わる。物語そのものを楽しみつつ、自分の認識のほころびを点検する感覚が味わえる一冊でした。 細部への目が弱い人、あるいは「観察力って結局どう鍛えればいいの?」と立ち止まる人には、じんわり効くと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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