
デザイナー 哀の劇場
まずりん
マイナビ出版 / 2014-04-22
この本について
デザインまわりの仕事をしていると、「クライアントの用意した画像がどうしても使えない」「Web用の素材をそのまま印刷に回そうとして地獄を見る」みたいな場面、けっこうありますよね。相手を責めたいわけじゃないのに、説明しても伝わらない感じだけが積み上がっていくあの疲れ。自分の力量の問題なのか、業界の“前提”が共有されてないだけなのか、判断がつかなくなることもあります。 『デザイナー 哀の劇場』は、まさにその“間”でもがいてきた人間の視点で描かれていて、読んでいて変に強がらなくていい感じがします。たとえば72dpiと300dpiの話のように、現場だと当たり前すぎて説明が後回しになるところを、実際のやり取りに沿って描いてくれるので、「そう、まさにこの温度差なんだよ」と静かに共感できます。もうひとつ効くのは、自分が抱えていたストレスの正体が“能力不足”ではなく“前提の共有不足”だったと整理できるところで、気持ちの落ち着き方がだいぶ変わります。そして、無理にポジティブに持っていくんじゃなく、「現場ってこうだよね」と言語化してくれるので、次に似た状況に遭ったときに過剰に落ち込まずに済む感覚があります。 デザイン職でなくても、実務の“微妙な齟齬”にいつも消耗してしまう人には刺さると思います。自分の小さなつまずきが笑いと一緒に整理されていくような、そんな読後感の一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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