
【カラー版】巨流アマゾンを遡れ (集英社文庫)
高野秀行
集英社 / 2003-03-25
この本について
旅に出たいわけじゃないのに、今の場所にずっといたままでいいのか…と、ふと落ち着かなくなる瞬間がありませんか。仕事でも人生でも、「知らない世界を見ていない自分」がどこかで引っかかる。でも、かといって壮大な旅の計画を立てるほどの余裕もない。そんな曖昧なモヤモヤに、この本はそっと横から風を入れてくれました。 高野秀行さんのアマゾン紀行は、勇ましい冒険談というより、自分の感覚が少しずつほぐれていく過程が面白いんですよね。例えば「旅には必要なものなんて何もない」と言い切る軽やかさや、「その土地が自分の中を通りすぎていく」という視点の転換。地名や文化の差異を必死に理解しようとしても、結局は目の前で起きる“わからなさ”を受け入れるしかない。その感じが、日々の仕事で「正解を探して固まってしまう」自分にもどこか似ている気がしました。 特に刺さったのは、ブラジルの「レアル(ほんとうの)」の話のように、言葉の意味を早とちりして世界を狭めてしまう癖に気づかされるところ。あるいは、コカとコカインを同一視する誤解を淡々と解いていく場面。アマゾンの文化や歴史を追いかけながら、同時に自分の思い込みもほぐされていくような読書体験でした。 「自分の見ている世界が実はすごく偏っている気がする」と感じる人には、静かに効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの35%が集中しています。
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