
明るいニヒリズム
中島 義道
PHP研究所 / 2015-02-02
この本について
仕事でも日常でも、どうしても「もう少し意味を見つけたい」と思ってしまう瞬間がありませんか。過去の選択を正当化したり、未来に理由を用意したくなったり。でも、その「理由づけしないと不安」という感じ自体が、観念に引っ張られているだけかもしれない──そんな気づきをくれたのが『明るいニヒリズム』でした。 この本が面白いのは、「世界はこうだ」と決めつけるんじゃなく、私たちが普段どれだけ“言葉で固めた世界”の中で生きているかを、一つずつほどいて見せてくれるところです。過去はがっちりあるようで、実は現在の証拠がつくり出した“意味”にすぎないとか、出来事は毎回ただ一度きりで、反復しているように見えるのは言葉の操作にすぎないとか。読んでいると、自分がどれだけ「安定した世界」をでっち上げて安心しようとしていたかに気づかされます。 特に響いたのは、「不確かさの中に居続ける力」を哲学の核心として扱っているところでした。すぐ答えを求めたくなる癖がある人ほど、この姿勢がじわっと効きます。頭で理解するだけでなく、〈いま〉の感覚として世界を見る訓練に近いので、読後は景色の手触りが少し変わります。 こんな人に刺さると思います。意味づけの自動運転から、いったん降りてみたい人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの41%が集中しています。
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