
洗脳 地獄の12年からの生還
Toshl
講談社 / 2014-07-23
この本について
人に振り回されている感覚って、仕事でも家庭でもふとした瞬間に出てきますよね。気づいたら相手の期待を優先してしまって、自分の感情がどこかに置き去りになっている感じ。頭では「おかしい」と思っても、その場に飲み込まれると判断が鈍ることもあります。 『洗脳 地獄の12年からの生還』を読んで強く感じたのは、人はここまで追い詰められるのか…という恐怖よりも、そこまで深い霧の中にいても、少しずつ「自分の声」を取り戻せる瞬間があるという事実でした。読者が保存していた場面には、罵倒されても、生活をすり潰されても、それでも心のどこかに小さな違和感が残り続けていた描写が多いんですよね。その小さな違和感が、やがて抜け出すきっかけになっていく。その過程がとても人間的で、自分の日常にも思い当たるところがありました。 特に効いたのは、恐怖と罪悪感の中でも、自分の中に残った「まだ終わりじゃない」という感覚を手放さなかったこと。そして、外側の声に支配されるほど、人は良心や愛情すらねじ曲がってしまうというリアルさ。どちらも、優しさがある人ほど陥りやすいんじゃないかと思います。 自分の境界線がわからなくなりがちな人、誰かの期待を背負いすぎてしまう人には、静かに刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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