
消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―(新潮文庫)
豊田 正義
新潮社 / 2005-11-20
この本について
仕事でも人間関係でも、「なぜあの人はあそこまで支配的になれるのか」「自分ならどこで歯止めをかけられるのか」と考え込むことがあります。相手が強すぎると、判断力が鈍ったり、妙な依存が生まれたりするあの感覚。分かっていても巻き込まれる瞬間ってありますよね。 『消された一家』は、ただ事件の残虐さを描いた本ではなく、人が追い詰められていく過程を容赦なく見せてきます。抜粋を読む限り、読者の方が気になったのも、暴力そのものより「心理が壊れていくプロセス」や「支配が成立していく瞬間」だと思うんです。強制収容所の研究や、加害者自身の言葉が出てくることで、異常な状況がどう日常化していくのかが立体的に見えてくる。自分がその場にいたら本当に抗えたのか、そんな怖さを突きつけられます。 読んでいてしんどい部分も多いのですが、人が倫理や判断を失うまでの具体的なステップが描かれているので、逆に「どこで距離を取るべきか」や「どんな関係性が危険なのか」が現実的に見えてきます。支配や同調に弱さを感じる人ほど、他人事ではなく、自分の身を守る知識として読む価値があります。 極端な事件だからこそ、日常の中にある小さな違和感の延長線を見せてくれる。そんな本です。こんな人に刺さると思います。強い人に主導権を握られた経験がある人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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