
火星の人
アンディ ウィアー and 小野田和子
早川書房 / 2022-03-16
この本について
仕事でも生活でも、気づけば「自分でどうにかするしかない状況」に放り込まれる瞬間ってありますよね。助けを待つには遅いし、相談しても返ってくるのは抽象論だけ。そんなときの心細さとか、妙な静けさって、けっこうしんどいものです。 『火星の人』を読んでいると、その感覚が妙にリアルに整理されていく感じがありました。ワトニーが火星でひとり、設備が壊れるたびにブツブツ言いながら直していく姿は、大げさに見えて、実は日常とそんなに変わらないんですよね。湿度が高すぎるとか、パーツを外しすぎてNASAに怒られるとか、地味な作業なのに淡々と受け止めていく。その視点が、「大問題に見えることも、分解するとただの作業の集合なんだな」と思わせてくれます。 そしてもうひとつ、孤独の感じ方が丁寧です。ハブが見えなくなるだけで不安になるとか、退屈すぎてジャガイモの世話が恋しくなるとか、人間って環境のほんのちょっとした違いでここまで揺れるのかと気づかされる。自分の弱さや怖さを「そういうものだよな」と受け止める余裕が少しだけ生まれます。 極限の物語なのに、読むとむしろ肩の力が抜ける一冊です。自分の生活を一度リセットして見たい人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
読書の順序
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