
身ぶりとしての抵抗 鶴見俊輔コレクション2 (河出文庫)
鶴見俊輔、黒川創
河出書房新社 / 2012-10-09
この本について
仕事でも生活でも、集団のルールに自分の感覚がすりつぶされそうになる時があります。正しさを求めて動いているはずなのに、気づくと自分もどこかで他人に同じ姿勢を強いていたりして、ふと後味の悪さだけが残る。ああいう瞬間って、どう扱えばいいんでしょうね。 『身ぶりとしての抵抗』を読むと、そのモヤモヤに少しだけ距離が生まれます。鶴見俊輔は、巨大な権力に対抗する時に「より強い力」で殴り返す方向ではなく、むき出しの自分をどう差し出せるか、というところから考えていきます。抗議の形も、理念の掲げ方も、静かだけれど芯のある眼差しで見直されていく。その視点は、正義を語るとどうしても内側に生まれてしまう“同じような強制の気配”にも気づかせてくれます。 そして何より、鶴見が語る「助け合い」のリアルさが強いです。立派な理念ではなく、誰かの疲れに気づいて家に連れて帰る学生のような、ごく日常の行動の中に可能性を見ていく。力の大きさでは絶対に勝てない相手に対して、どうやって自分の足場を保つか。そのヒントが淡々と積み重ねられていて、読みながら自分の中の“力まない抵抗”の形を探す感覚になります。 自分の正しさにどこかで不安を抱えている人に、静かに効く本です。
読書インサイト
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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