
すごい実験 ―高校生にもわかる素粒子物理の最前線
多田将
イースト・プレス / 2011-08-10
この本について
仕事でも勉強でも、「これ続けて意味あるのかな…」みたいな迷いって、ふとした瞬間に出てきませんか。積み上げているつもりなのに、手応えが薄いときほど不安になるし、誰かに「それ何の役に立つの?」と言われると急に自信が揺らいだりします。僕もよくそこで立ち止まってしまう側です。 『すごい実験』を読んでいて刺さったのは、まさにその“手応えのなさ”にどう向き合うかという部分でした。素粒子物理という途方もなく地味な研究の話なのに、「一個一個の成果は意味がわからなくても、続けないと棚そのものが空になる」という例えが妙に現実的で、自分の仕事にも置き換えられるんですよね。努力が報われるかどうかは誰にもわからないけれど、やっておかないとそもそも未来の選択肢が生まれない。その視点は、日々の作業に気持ちよく向き合うための支えになります。 とはいえ、この本は“継続は力”みたいな精神論ではなく、実際に研究現場で何が起きているのかを噓なく描いています。目の前の作業に意味が見えなくて落ち着かないとき、その「意味のなさ」をどう扱えばいいのかを、少しだけ丁寧に教えてくれる感じです。地に足のついた視点がほしい人にはちょうどいいと思います。 特に、成果が見えづらい仕事を続けている人に刺さる一冊です。
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