
ミリタリーテクノロジーの物理学<核兵器> (イースト新書Q)
多田将
イースト・プレス / 2015-07-20
この本について
核の話題って、どこかで「危ないから深入りしないほうがいい」と思いつつ、実際には断片的な知識だけでモヤモヤしたまま流してしまいがちです。怖いのに仕組みは知らないし、議論の行方も掴みにくい。その状態でニュースを見ても、理解した気になれないんですよね。僕もずっとそんな感じでした。 この本が良かったのは、軍事や思想に寄りすぎず、「物理としてどう成り立っているのか」を淡々と説明してくれるところです。例えば、中性子がなぜ人にとって最悪の放射線なのかとか、核融合で電子がむしろ邪魔になる理由とか、感覚的に分かりにくい部分を現実のシーンに落として語ってくれる。さらに、兵器の是非を単純化せず、「そもそも人類がなぜここに辿り着いたのか」という歴史の積み重ねの視点も添えてくれるので、読んだ後に世界の見え方が少し落ち着きます。 個人的には、元素名の由来や、静電気除去ブラシにポロニウムが使われている話のような、一見すると雑学に見える部分が、核技術の全体像につながっていく感じが心地よかったです。知識が点ではなく線になる瞬間があるというか。 「核の話題に苦手意識があるけれど、避けたままでいるのもしんどい」という人には特に刺さると思います。物理の基本から兵器の構造までを無理なくつないでくれるので、変な恐怖心や誤解が少し剥がれて、ニュースを見るときの立ち位置が安定します。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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