
イブン=ハルドゥーン (講談社学術文庫)
森本公誠
講談社 / 2011-06-09
この本について
最近、チームや組織の雰囲気がうまく噛み合わない理由を言語化できず、なんとなく「人が集まるって難しいな」と感じることが多いかもしれません。個人の努力とは別のところで、集団そのものが持つ力や限界があるのでは…とぼんやり思っている人には、イブン=ハルドゥーンの考え方がすっと入ってきます。 この本が面白いのは、王朝や国家の話をしながら、結局は「集団はどう動くのか」「それに巻き込まれる個人はどう振る舞うのか」を淡々と説明してくれるところです。たとえば、連帯意識がどこから生まれて、どこで弱まり、権力がどう変質していくのか。あるいは、組織の寿命が三世代で尽きるという発想が、なぜ歴史を通して繰り返されるのか。そういう視点を知っておくと、自分がいま見ている職場やコミュニティの「動き」が少し落ち着いて見えるようになります。 また、彼が「社会は人間にとって不可欠」と言い切った上で、理想論に逃げず、宗教や制度が力を持つ条件、環境が人間の気質に与える影響まで丁寧に考えているのも助かります。自分の悩みが、個人の性格ではなく構造の問題として理解できると、変に自分を責めなくてすむのがありがたいところです。 集団の力学に疲れつつも、そこから降りるわけにもいかない人に、とても静かに効いてきます。こんな人に刺さると思います。
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ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの37%が集中しています。
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