後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)

後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)

内村 鑑三

累計読者数7
平均ハイライト数 13.4件/人
star総合評価 51/100
start序盤集中型

この本について

仕事でも日常でも、「結局、自分は何を遺せるんだろう」と考える瞬間ってありますよね。お金も実績も、大きなことを成し遂げている人を見ると、自分は何も持っていないような気がして落ち込む。読者の方が保存していた抜粋を見ると、この本に触れた人が同じ問いに向き合っていたことがよくわかります。 内村鑑三が語る「最大遺物」は、才能や富よりも前に、自分の生き方そのものを置いています。金や事業を遺すことの価値を認めつつも、それは誰もができるわけじゃないと現実的に認める。じゃあ何を遺せるのか、と視線を上げた先に「勇ましい高尚なる生涯」という、ごく静かな答えが置かれている。希望を信じることを生涯のなかで実行する、それが贈り物になるという考え方は、今の環境で思うように動けていない人ほど効くと思います。 もう一つ刺さるのは、もし行動できなくても「思想を遺す」という選択肢を示してくれるところです。大きな事業を許されないときでも、感じたこと、苦しんだこと、喜んだことを書き残すことが、確かに誰かの力になるかもしれない。自分の半径数メートルからしか動けないときでも、意味のある営みはできるんだと、肩の力が少し抜けます。 自分の人生が「これでいいのか」と立ち止まりがちな人ほど、静かに効いてくる本だと思います。

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