
人間臨終図巻 1 (徳間文庫)
山田風太郎
徳間書店 / 2001-05-15
この本について
最近、自分の生き方にどこかピンとこなくて、「この先どう着地すればいいんだろう」とぼんやり考えてしまうことが増えていませんか。生きる意味とか、努力の行き先とか、誰も正解をくれないまま時間だけが進んでいく感じ。僕もそこでもやもやしていたときに、この『人間臨終図巻』を読んで、少しだけ視点がずれた気がしました。 この本は偉人の死を淡々と並べているように見えるんですが、抜粋にあるように「三歳の子がそばで遊ぶ横で父の死を受け止める家族」や「大冒険を仕事にしながら実は怖くて震えていた男」みたいな、文章の隙間に人の弱さや日常が流れているのが妙に刺さります。死にざまの派手さより、その裏にあった生活の温度が急に立ち上がってきて、自分の「ちゃんと生きなきゃ」という焦りが少し緩むんです。また、信長や透谷のように挫折の中で終わった人生が、むしろ輪郭をもって見える瞬間があって、「完璧じゃなくても最終的に形になるんだな」と思わされます。 特に、人生の意味を急いで決めようとしてしまう人には合うかもしれません。死を通して生を見る、なんて大げさに構えなくてよくて、単に他人の終わり方を覗くことで、自分の現在地がほんの少し整う本です。無理に元気を出させるタイプではなく、隣で静かに話を聞いてくれる本を求めている人に向いています。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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