
終わった人
内館牧子
講談社 / 2018-03-15
この本について
最近、ふと立ち止まったときに「この先の自分って何をよりどころに生きていくんだろう」とぼんやり考えてしまうことが多い人には、『終わった人』の抜粋がいくつも刺さると思います。仕事が人生の軸になっていた時期が終わってしまったあと、自分の価値や誇りをどこに置けばいいのか。思い出に縋っても勝てないし、かといって今に胸を張るほどの材料もない。そんな宙ぶらりんな感覚って、意外と誰にも言えないまま抱え続けてしまいます。 この本が面白いのは、「定年後の虚無」を悲劇として扱うのではなく、そこにある生々しい感情をそのまま描きながら、ちょっと違う角度を見せてくれるところです。例えば、やることがない日々がどれだけ人を弱らせるかとか、会社は自分がいなくても普通に回るという現実とか、友人関係や男女関係の距離感が年齢とともに変わっていくこととか。どれも痛いほどわかるのに、どこか肩の力が抜ける視点が混じっているんです。思い出と戦っても勝てないと気づく瞬間や、「余生」なんて言葉はおかしいという一言は、年齢ではなく“今どう生きるか”に目を戻してくれます。 大げさな処方箋ではないけれど、衰えや変化を受けいれながらも、まだ「明日がある人」として生きるための現実的なヒントがいくつも拾える本です。年齢の節目や環境の変化で、自分の立ち位置がよくわからなくなっている人に刺さります。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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